【IFバッドエンド】スプラッターディナー

――この回はIFルートなので本編の進行とは無関係です。また、残虐表現、グロテスクな表現が含まれます。見たくない方は次のページへ進んで下さい。――

 軍事基地脱走を試みる俺たち。ところがハンニバル中将に見つかってしまった。
 ハンニバル中将は今すぐ引き返せば俺たちを許してやるとのことだ。
 ここは素直に引き返すべきか? だが、このチャンスを逃したらもう脱出はできない。
 ここで俺が下した決断は――。

「こんなところで諦めてたまるか! 戦争に巻き込まれるなんてゴメンだぜ!」
「そうだそうだ! 分かったらとっととどきやがれ!」
「えぇ!?」
「おい、なんてことを!」

 俺とレイさんはハンニバル中将に反旗を翻す。その様子にヨウスケとミカエルは驚く。

「ハッハッハッ! 俺に挑むとはいい度胸だ! たっぷり可愛がってやるぜ!」

 ハンニバル中将が戦闘態勢に入った。なんだか今まで戦ってきた敵とは比べ物にならないくらい強いオーラを感じるゾ……。
 ……いや、俺たちだって数々の任務を積み重ねて強くなったんだ。今の俺たちならきっと勝てる! (確信)
 ここでハンニバル中将を調教できたら、軍のお偉いさんのホモビで大儲けできるぜぇ~! (謎の自信)

「お前らの全力を俺にぶつけてみろ」

 ハンニバル中将は自信に満ちた余裕の表情で立っている。

「よーし、俺らの実力を見せてやろうぜ!」
「おぉ!」

 俺たちは一斉に各自の必殺技”髪なんか必要ねぇんだよ!”、”おじさんブロー”、”ラピッドファイア”をハンニバル中将に放つ!
 ヨウスケだけは必殺技が回復スキルなので、代わりに俺たちの攻撃力を上げるスプレーでサポートした。
 しかし、ハンニバル中将には状態異常どころかダメージすら全く通っていない!

「フン、雑魚め。暇つぶしにもなりゃしねぇ!」

 ハンニバル中将は手持ちの巨大バズーカを片手で軽々と振り回し、俺たち全員を吹っ飛ばした。

「「「「アッー!!」」」」

 痛いんだよおおおお!!!!(マジギレ)
 バズーカの一振りで俺たち全員は瀕死になった。めちゃくちゃ強ぇなオイ……。

「クックック……これで終わりだと思うなよ?」

 ハンニバル中将は両手から長く鋭い鉤爪を生やし、人間離れしたスピードで俺たちに襲い掛かる!
 こいつ、もはや人間じゃねーだろ! ……あ、遺伝子操作で生まれた人間兵器ミュータントだったっけな。

「申し訳ナイス! 許して下さい! 何でもしますから!」

 俺は命乞いをするが、ハンニバル中将の鉤爪でズタボロに引き裂かれ、意識を失ってしまった……。


 ――ここは鉄製の壁で覆われた薄暗い部屋。
 部屋にはキッチン、調理器具、棚、テーブル、そして拷問用の鉄製ベッドと椅子が設置されている。

「……ん……ここは……?」

 ミカエルは気づくと鉄製ベッドの上に寝かされていた。

「やっと起きたか」

 ミカエルの横に立っているハンニバル中将が薄気味悪い笑みを浮かべながら声を掛ける。

「……え?」
「あいつら、あんなに騒いでいたのにお前はのんきな奴だな」
「なに……これ……ここはどこだ?」

 ミカエルは起き上がろうとするが、両腕を拘束されていて動くことができない。

「腕が……動かない……!」
「まだ状況を把握できていないみたいだな。……そこを見てみな」

 辺りを見渡すと、部屋全体が血まみれだ。それだけでもミカエルは鳥肌が立っていた。
 そして、近くに設置されている机の上には得体の知れない物体や臓器と思われるものが鍋や皿の上に置かれている。

「そこにある肉塊……だ」
「……! 嘘……だろ?」
「あいつら命乞いしながら泣き叫んでいてよ。……ハッハッハッ! 久しぶりに楽しめたぜ!」
「そんな……! ヨウスケ……タツヤ……レイ……!」

 ハンニバル中将から語られた衝撃の事実。ミカエルを除くメンバー全員が拷問の末に惨殺され、無残な肉塊と化してしまったのだ。
 ミカエルは突然の仲間の死に、悲しみよりも動揺や恐怖で頭がいっぱいだった。

「そして次は……お前の番だ! 一番うまそうな奴だったから最後まで取っておいたぜ」
(何なんだこいつ……狂ってる……!)

 ミカエルは逃げようとするが、両腕を拘束している器具は微動だにしない。ハンニバル中将がゆっくりミカエルに近づく。

「クックックッ……」
「……!? 何をする!?」
「前からお前のことが気に入っていたのでな。俺のペットになるって言うなら命だけは助けてやらんでもないぞ?」
「ペットになります! 助けてください!」

 必死に命乞いをするミカエル。ちなみにハンニバル中将がミカエルを気に入った理由は、ミカエルがどこか猫っぽいからだそうだ。ハンニバル中将は無類の猫好きなのだ。

「クックックッ……なおさら食いたくなったぜ!」
「……!? おい……何をするんだ!? やめろ……!」

 直前まで穏やかな表情をしていたハンニバル中将は豹変。その姿はまるでこれから獲物を狩ろうとする野獣そのものだ。
 ハンニバル中将は両手から長く鋭い鉤爪を生やし、鉄製ベッドの上で身動きが取れないミカエルを一方的にいたぶり引き裂いていく。
 
「ギャアアアアア!!」

 ミカエルの甲高い断末魔が部屋中に鳴り響き、大量の鮮血が飛び散っていく。
 殺すならさっさと殺せ……ミカエルはそう思いながら四肢をもぎ取られ……目を潰され……徐々に全身の感覚が失われていった。

「クックック……これで俺たちはずっと一緒だ」


 このあとハンニバル中将がおいしくいただきました。
 
 ――GAME OVER――