――この回はかなり刺激的なシーンがあります。内容はほぼ某ゲイビデオの再現です。見たくない方は次のページへ進んで下さい。――

今日はエーリッヒ大佐の誕生日だ。軍事基地内の食堂を数時間貸し切り、その中で彼の誕生日会が開かれた。
「エーリッヒ大佐、誕生日おめでとう! 今日はブラザーも呼びたかったけど、残念ながら仕事で忙しくて来られないってさ」
「ナイト軍曹は最近忙しいみたいだね。私のために誕生日会を開いてくれたこと、感謝するよ」
席に座っているのはハイド伍長とエーリッヒ大佐だ。
しばらくすると、厨房の中から1人の若い料理人が現れた。
彼はかつてハイド伍長のいなり寿司をつまみ食いし、調教された青年。通称”イナリ君”だ。
その後は軍事基地の料理人として修業を重ね、短期間でプロの料理人に昇格したのだ。
「あ、はじめまして、えーと……本日、えー……素敵なお誕生日会のお料理を担当させていただきます。料理人のイナリです。どうぞよろしくお願いします」
(なんて高貴なお方なんだ……! 僕の料理で満足してくれるかな……?)
イナリ君はエーリッヒ大佐を目の前にして緊張した様子で挨拶した。
「イナリ君、ようこそー。今日はエーリッヒ大佐のお誕生日会なんで、良い料理期待してるよ!」
「はい。じゃあ早速、準備の方に入らさせていただきますので、よろしくお願いします」
「イナリ君、こちらこそよろしく」
イナリ君は2人への挨拶を済ませると、料理を始めるためにいったん厨房へ戻った。
厨房には調理器具が揃っているにも関わらず、大胆にもバーベキューセットを設置し、火を付ける。
調理を開始しようと彼が取り出したのは、スーパーの半額セールで買ってきたかのようなペラペラの肉だ。
2人分の肉をバーベキューセットの上に乗せ、直火で焼き始める。
プロの料理人らしく、火に細心の注意を払いながらトングで肉を焼くイナリ君。
「ヒェッ!」
途中、火の勢いが強まったことに怯み、思わず1歩後退してしまう。
そして、縮んでしまうほどこんがりと焼き上がった肉を皿の上に盛りつける。上手に焼けました。
「よしっ (適当)」
イナリ君は他に付け合わせを用意するどころか、肉に味付けをすることすらもなく調理を終了。
「お待たせしました」
縮みきった肉だけが乗せられたシンプルすぎる皿がエーリッヒ大佐とハイド伍長へ差し出される。
ボロ雑巾にしか見えないその肉をナイフとフォークを使って切り、一切れを口に運ぶエーリッヒ大佐とハイド伍長。
「うん、おいしい! 肉の素材の味だけを味わってほしいという、イナリ君のこだわりが伝わるよ」
(エーリッヒ大佐、正気か!?)
どう見てもおいしそうには見えないステーキだが、その味はエーリッヒ大佐には好評だった。
「よ、よかったよ、イナリ君呼んで。やっぱりイナリ君の料理は最高だな! (大嘘)」
「あっ、ありがとうございます」
ハイド伍長はその場の空気を乱さないように、イナリ君の料理を絶賛。
イナリ君もそれに応えて笑顔で返事をした。
「次の料理も頑張ります!」
イナリ君は再び厨房へ戻り、次の料理を作る。そして数分後……。
「お待たせしました、本日最後のデザートになります」
食後のデザートが2人の前に差し出される。
見た目はシャーベットにリンゴか梨が乗ったような、発砲スチロールの生クリーム和えのような、見た目が絶望的に汚い正体不明のデザートである。
「わぁ~おいしそう! (大嘘)」
「おいしそう! (大嘘)」
得体の知れないデザートを口にするハイド伍長とエーリッヒ大佐。
そのデザートは見た目に反して意外にもおいしかったようだ。
「ごちそうさま。本当においしかったよ。今日はどうもありがとう」
「すげーうまかったぜ。イナリ君、腕を上げたね~」
「ありがとうございます!」
こうしてエーリッヒ大佐のお誕生日会は無事に終えることができたのであった。
「イナリ君、せっかくだからもう少しここでゆっくりしていきなよ」
「はい」
「本当に美味しかったね~。今日ねぇ~」
「今日は素敵なお誕生日会をありがとう」
「疲れたでしょ? 今日」
「そうですね」
「ちょっと待ってて」
ハイド伍長は厨房に向かい、3人分のお茶の用意をした。そしてお茶が入った湯飲み3つをお盆に乗せ、2人が座るテーブルへ運んだ。
「みんな、お茶でも飲んでゆっくりしようぜ」
「ハイド伍長、ありがとう」
「お世話になります」
3人はハイド伍長特製のお茶を飲み始めた。
「またお願いすると思うから、その時はよろしく頼むよ」
「ハイ……いや……」
イナリ君はお茶に口をつけると5秒で気を失ってしまった。イナリ君のお茶の中には即効性の睡眠薬が仕込まれていたのだ!
数分後、俺たちの元にハイド伍長から連絡が来た。イナリ君の料理の腕を鍛え直して欲しい、と。これは乗るしかねーよなぁ?
俺とレイさんは早速食堂へ向かった。そこにはハイド伍長とエーリッヒ大佐、そして手を縛られて眠っているイナリ君がいる。
「ハイド伍長、いくらなんでもこれはやり過ぎだよ……」
「エーリッヒ大佐はあんな料理で本当に満足していたのかい?」
「いや、確かに見栄えはひどかったが……味は悪くなかったと思うよ、うん」
「次はイナリ君がもっと良い料理を作れるように鍛え直してやるだけさ。それにエーリッヒ大佐もタツヤ達の調教を見たらきっと楽しくなるぜ! じゃあタツヤ、レイ、後は頼んだよ!」
「かしこまり!」
「さぁ、料理人解体ショーの始まりだ~。じっくり料理してやる、みんな見とけよ~」
俺とレイさんはイナリ君の身体を物色、そして上半身の服を脱がす。
「いい素材だなこれは……料理しがいがあるなぁ……おぉ……すっごいなこれはぁ」
「おぉーすごい……これは上物だぞ」
俺とレイさんがイナリ君の乳首をいじっていると、イナリ君が目を覚ました。
「ちょ……何してんすか! やめてくださいよほんとに!」
「気持ちいいだろぉ~?」
「よく見てろよ。これで高級な素材は高級料理にする、最高の素材は最高の料理の仕方でいかねーとな。最高の料理で」
「もっと気持ち良くさせてやろうぜぇ~」
その後、イナリ君は俺とレイさんによる鞭、竹刀、熱湯&冷水シャワー、スパンキングの悶絶フルコースを受け、真の意味でプロの料理人として鍛え上げられたのであった。
「ワン……ワン……明日こそはプロの料理を披露しますので、みなさん食堂にいらして下さい」
「凄い……! さっきよりもプロの料理人としての風格を感じる……! 明日は期待しているよ」
調教され、生まれ変わったイナリ君の姿を見て感嘆するエーリッヒ大佐。
「次こそは失敗するなよー」
「おう、楽しみにしているぜぇ~」
「明日はミカエルとヨウスケも連れていこうな」
翌朝、真のプロの料理人として生まれ変わったイナリ君の絶品料理は、食堂のみんなを満足させてくれたのであった。めでたしめでたし。