第39話 ライデン博士の罠!?

 俺たちを乗せたエレベーターが目的地へ到着。エレベーターから出ると、そこは黒い床と黒い壁に緑の光が映し出されたサイバースペースだった。

「いよいよサイバータワーらしいダンジョンになってきたな」
「ここから先は下の階にいた小型ロボットよりも強いロボットたちが待ち受けている。みんな、覚悟は良いかい?」
「ジャイアントマシンを倒せたオレたちなら大丈夫だろ」
「だと良いのだが、敵の数が多いと厄介だ」
「少しずつ倒して行こう」

 先へ進むと、直径1メートルほどの光の球体がいくつも浮遊していた。こいつらは敵なのか……?

「とりあえず邪魔する奴は片っ端からぶっ壊していこうぜぇ~」
「よく分からない物体はお仕置きだどー!」

 早速、俺はムチで、レイさんは竹刀で光の球体を攻撃。

「タツヤ君、レイ君、そいつに触れては駄目だ!」

 エーリッヒ大佐が慌てて静止に入る。だが……。

「「アツゥイ!」」

 俺とレイさんの身体に電流が回った! 球体は俺たちに着弾と同時に消滅。この球体の正体は電気玉だったのだ。

「ほら、言わんこっちゃない……」
「よく分からないものに近づいたら危ないってば!」
「「お、おう……」」

 ミカエルとヨウスケの言う通りだ。ギミックだらけのサイバータワーだからこそ罠が仕掛けられていてもおかしくない。
 俺たちは浮遊する電気玉を避けつつ先へ進んでいく。電気玉の群れを潜り抜けると、一際強そうなロボどもが視界に入った。
 両手にチェーンソーが装着されている二足歩行のサメ型ロボと、鋭い鉤爪を持つ赤いドラゴン型ロボだ。
 こいつらの大きさはジャイアントマシンほどデカくは無いが、大勢のこいつらに見つかってしまうと、俺たちはあっという間に全滅してしまいそうだぜ。

「みんな、少しずつ撃破していこう」
「かしこまり!」
「邪魔するロボはぶっ壊していくどー!」
「任せておけ」
「みんな、頑張ろうー」

 俺は”熱湯シャワー”でロボどもをずぶ濡れにする。ミカエルは”クイックドロー”でロボどもをまとめて攻撃。

「その腕、1本もらっていくどー!」

 レイさんが”小手打ち”でロボどもの腕をぶっ叩く。これで奴らの腕力を弱体化できたぜ。
 エーリッヒ大佐の技は強力だが発動は遅い。それまでの間、俺たちが敵へダメージを通りやすくしたり、敵からのダメージを軽減する必要がある。
 腕を弱められたサメ型ロボとドラゴン型ロボどもは、そんなこともお構いなしに頭部から大きく口を開く。
 サメ型ロボは口から冷気のブレスを、ドラゴン型ロボは口から火炎放射を放ってきた! アツゥイ! そしてサムゥイ!

「アツゥイ! ブレスなんか使われたら、オレが”小手打ち”やった意味ねーだろーがよぉ!」
「レイさん、そんなこと無いっすよ!」
「あつい! とにかく急いで回復しなきゃ!」

 ヨウスケは急いで回復スプレーを取り出し、俺たち全員の体力を回復。
 しかし、ロボどもの攻撃はまだ続く。ロボどもは背中に装着されたジェット機で滑空し、俺たちへ急接近。
 サメ型ロボはチェーンソーで、ドラゴン型ロボは鉤爪で俺たちを斬りつけた。

「「「「アッー!」」」」

 痛いんだよおおおお!!!!(マジギレ)
 ここでレイさんの”小手打ち”が役に立ったのか、何とか耐えることができたぜ。

「みんな、良くやってくれた。これでトドメだ」

 エーリッヒ大佐のお供ロボが広範囲の電撃を発射し、敵のロボどもを攻撃。
 敵のロボどもは電流でショートしたのち機能停止。死んだのだ。

「なかなかの強敵だったね。極力戦闘を避けながら進んでいかないと厳しいな」
「お、そうだな。こんな奴ら全部相手してたら体が持たないぜ……」
「あんな恐ろしいモンスターロボがうようよいるなんてもう嫌……」

 俺たちは極力敵に見つからないように先へ進んでいった。
 このフロアも下の階同様、道を塞ぐレーザー壁があちこちに張られている。
 レーザー壁を消すスイッチを探しながらこのサイバー空間を探索するのはワクワクすっぞ。
 ここの敵は強いから見つかったらヤバいけどな。
 そしてある程度先へ進んでいくと、目の前にはとてつもなくデカい高台、そして高台の手前には光る床が設置されていた。

「ようこそ、サイバールームへ。上がってきたまえ。歓迎しよう」

 この聞き覚えのある声はライデン博士だ。ゴールはもうすぐってことか。

「みんな、私について来て」

 エーリッヒ大佐が光る床の上に立つ。すると、エーリッヒ大佐の足元から強風が吹き出てきた!
 エーリッヒ大佐はその強風に乗って高くジャンプし、高台の上に着地する。

「なるほど、この床はジャンプ台ってことか」
「俺らもさっさといこうぜ」

 エーリッヒ大佐に続き、俺たち全員も後に続いてジャンプしていく。なんだか空を飛んでるみたいで楽しいぜぇ〜。
 こうしていくつもの高台を上がっていくと、細くて長い通路にたどり着いた。

「君たちに興味がある。性能をテストしたい。だが、その前に少し遊んでやろう。この通路の向こうから出てくるレーザートラップを避けてみたまえ」

 ライデン博士の声だ。レーザートラップって、まさか触れたら体が切断される危ねぇやつじゃねーだろうなぁ……?
 危ないレーザーを想像して身震いする俺たち。

「怯えている暇は無いよ。落ち着いて進めば突破できる」
「お、おう……」

 一歩間違えれば死ぬかもしれないのに、何でエーリッヒ大佐は冷静でいられるんだよ!?
 ……と思ったその時、俺たちのひざくらいの高さの横向きレーザーが迫ってきた!

「みんな、ジャンプだ!」

 エーリッヒ大佐の指示で俺たち全員がジャンプでレーザーを避けた。
 そして休む間もなく次のレーザーが迫ってきた。俺たちの胸くらいの高さの横向きレーザーだ。

「しゃがめ!」

 俺たち全員は急いでしゃがみ、レーザーを避けた。避けるのは楽だが、触れたら体が切断されると思うとヒヤヒヤするぜ。
 次はどんなレーザーが飛んでくるのか? 俺たちは緊張しながら身構える。
 そして3発目のレーザーが発射された。なんと、が俺たちに迫ってきた!

「うわああああ! どうやって避けるんだよおおお!!」
「無理ゲーはやめろっつってんだろーがよぉ!!」
「あの博士、最初から私たちを弄んでから殺すつもりだったのか……!」
「このままサイコロステーキなんて嫌だあああああ!!」

 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛も゛う゛や゛だ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!
 俺たちはこのまま細切れのサイコロステーキにされてしまうのか……!?