第9話 山賊を調教する!

 山を少し登ると、そこは山賊らしき男たちで溢れかえっていた。
 典型的なチンピラの姿をした奴もいれば、ガタイのいい剣士の山賊もいる。

「おいやっちまおうぜ! オラ!」
「やっちゃいますか!」

 山賊どもは俺たちを見るや否や、武器を持って俺たちに襲い掛かってきた。
 全員調教してホモビモデルにしてやりたいところだが、そんなことやってたら日が暮れるから手短に済ませるぜ。
 俺たちも戦闘態勢になった後、レイさんだけはいつもと違った構えを取っている。

「オレも範囲攻撃を覚えたんだ。てめーらまとめて一層してやるぜ! ハリケーン!」

 ~ハリケーン~
 竹刀で竜巻を起こして攻撃する、レイの範囲攻撃スキル。

 レイさんが起こした竜巻で、山賊どもは次々と吹き飛ばされていく。
 そこにミカエルがクイックドローで追撃を仕掛ける。しかし、山賊どもはまだ倒れていなかった。
 チンピラの山賊どもが俺たちへ向けてナイフを投げてきたのだ。
 ねーイタいーもう! イッタいよもう!
 俺たちがナイフを食らって怯んでいる隙に、剣を持った山賊がレイさんに切りかかってくる!

「ヒャッホー! 死にたくなければ金をよこしな!」

 このままではレイさんが危ない! 俺はムチで山賊剣士の腕を縛り、そのまま地面に叩きつけた。
 続いてヨウスケが無防備になった山賊剣士を棒で殴りまくる。

「痛えんだよおおおお!!!!(マジギレ)」

 怒りながら悲鳴を上げる山賊剣士。

「助かったぜ! おい山賊ども、オレたちに喧嘩売ったからには覚悟できてるんだろオラァ!」
「レイ、一気に仕留めるぞ」

 体勢を立て直したレイさんとミカエルが、ハリケーンとクイックドローで山賊どもを一掃し始めた。
 2人とも成長が早いな。俺も早く範囲攻撃を覚えたいぜ。
 山賊どもが瀕死になったところで、俺とレイさんの調教プレイが始まる。そして数分後……。

「ワン……ワン……なんなりとお使い下さい」

 四つん這いヨツンヴァインの犬奴隷と化した山賊どもをビデオ撮影したところで戦闘終了。
 その様子を見ていたジョンが「なんだこれは、たまげたなぁ……」とつぶやく。
 だがその時、俺たちの体に異変が起きた。敵を倒したってのに、原因不明の苦しさが俺たちを襲う。

「なんだ、この苦しさは……」
「ほら、言わんこっちゃない。奴らは毒を使ってくるって言っただろ」

 毒って毒塗りナイフのことだったのかよォ!
 俺たちはジョンに回復と解毒をしてもらい、なんとか助かった。山賊恐るべし。
 体勢を立て直したところで俺たちは更に先へ進む。すると、山の洞窟の入り口付近で女が山賊の男と会話をしているのが見えた。

「お願い! 私の彼を返して!」
「何言ってんだ? お前の元カレはとっくに俺らの世界にどっぷりつかってんだよ。俺は女に興味ねーんだよ。二度と来んなよ」

 山賊はそう言って女を蹴り倒した。女は「きゃっ!」と悲鳴を上げながら転倒する。
 さて、ここはどうするべきか。人助けするか? それともスルーして洞窟に入るか? 俺も女に興味ねーんだよなぁ。
 いや……この山賊が洞窟の入り口を守っている以上、戦うしかねーか。

「よぉ、山賊の野郎。そこをどいてもらう為に調教されてもらうぜぇ~」
「な、なんだてめーら!」

 敵は1人だから楽勝だな。俺たちは4人がかりで山賊をタコ殴りにし、四つん這いヨツンヴァインの犬奴隷にしてやったぜ。

「ワン……ワン……」
「こ、これは……? とにかく助けて下さってありがとうございます!」

 お世辞にも美人とは言えないこの女は、犬奴隷になった山賊を見て困惑しながらも俺たちに礼を言った。

「良いってことよ。どちらにしろ俺らはこの先へ進まないといけないからな」
「……あの、この先へ行くなら私の頼みを聞いてくれませんか?」
「そういえば、さっき『彼を返して』って言ってたな。何があったんだ?」
「実は、私の彼が山賊たちに連れ去られてしまったのです。私と彼は一緒に山で散歩をしていただけなのに……。どうか彼を助けてくれませんか?」

 どうやらこの女は恋人を山賊に連れ去られたらしい。
 山賊がいる山に散歩するって時点で自業自得な気もするが、俺は良いことを思いついた。

「良いぜ。その代わり、お礼はきっちりしてもらうぜぇ~」
「ありがとうございます! 奴らはこの洞窟の中に入って行きました。きっとこの近くにいると思います」
「よーし! 中の山賊どもをまとめて調教してやろうぜ!」
「そうだな。洞窟プレイとかたまらん!」

 俺たちは先を進むべく山の洞窟の中に入る。すると、入ってすぐの場所で3人の山賊が男1人を囲って「ウェーイ」と声を上げていた。

「その為の右手」
「あとその為の拳」
「拳? 拳はやる為にあるでしょ」
「金! 暴力! SEX! 金! 暴力! SEX!」

 山賊トリオは男の服を全て脱がせ、寄ってたかって乱暴していた。こいつらもホモかよォ!?
 女は自分の恋人が全裸にさせられて乱暴される様子を見て絶句している。

「おい、お前ら。特に恨みは無いけど俺たちに調教されてもらうぜぇ~」
「ホモ山賊どもはボッコボコにしてやるぜオラァ!」
「ファッ!? なんだてめーら!」

 俺たち4人は一斉に山賊トリオを攻撃する。最初の戦いで山賊との戦い方を身に着けたから敵ではなかった。

「ワン……ワン……」
「ご主人様、どうぞゆっくりしていって下さい」

 犬奴隷と化した山賊トリオ。女は真っ先に自分の恋人の元へ駆けつけるが……。

「大丈夫!? ……ねぇ、返事をしてよ!」
「うへへへ……」

 男はよほどひどい目にあったのか、女の問いかけに答えず、虚ろな目で仰向けになりながらただ笑っていた。

「泣くなって。オレたちがこの男を元に戻してやるからよ」
「やっぱりそうこないとなぁ~」
「本当ですか!?」

 俺とレイさんは男を調教し始めた。しばらくすると、あら不思議。廃人同然だった男が女の目の前で四つん這いヨツンヴァインになり始めた。
 廃人同然だった男を調教で上書きしてやったぜ。

「ワン……ワン……僕はあなたのペットです。いっぱいナデナデして下さい」
「ナオキ!? 一体どうしちゃったのよ!?」
「復活して何よりじゃないか。俺らに感謝しろよなぁ~?」
「……うん、そうね。彼を私のペットにできるなんて最高だわ! ありがとう!」

 こうして山賊に襲われた男女は村へ帰って行き、幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。

「なぁ、あれで良かったのか……?」
「なんだよ、どう見てもハッピーエンドダルルォ?」

 ジョンは先ほどの結末に困惑しつつ、俺たちを山賊のアジトがある道へ案内する。
 洞窟を抜け、再び山を登っていく。その道中で幾度となく山賊に遭遇したが、俺たち4人の力とジョンの回復サポートでついに山の頂上へ到着した。

「ここが山賊のアジトだ。この先の最深部に奴らのボスがいるぞ」

 ジョンが足元にあるデカい穴を指さしながら言う。この穴が山賊のアジトの入り口だそうだ。

「ついに来たな。山賊のボスも俺らの奴隷にしてやろうぜ!」
「悪い山賊はお仕置きだど~!」
「ここが山賊のアジトってことは敵も多いはずだ。みんな、気をつけろ」
「マジで怖いんだけど……」

 俺たち5人は気を引き締めて山賊のアジトに入った。