ワイルド・ソルジャー

第41話 男達の物語は永遠に

 テーマパーク・マッキーワールドでの出来事から1か月が経過した。 肉体改造と薬物投与の影響で精神的に不安定だったハンニバルも、マティアスやアーサー大尉とその家族の支えにより、軍の人間達とまともに交流出来る程度には落ち着いてきた。 しかし、敵…

第40話 正義の白騎士

「おや、ヒーロー気取りの騎士様の登場ですか? あいにくわたくしは男に興味無いのよ。さっさとここから出ていって下さる?」「あぁ、言われなくとも貴様を倒してからな」 仮面をつけた正体不明の男は貴婦人に向けて剣を向ける。「……そうですか。ならわた…

第39話 恐怖の脱出ゲーム

 貴婦人が部屋を後にして5分が経過、エーリッヒは待ちくたびれていた。「あのおばさん、帰ってくるの遅いなぁ……。もう次の部屋に進もう」 エーリッヒは待ちきれずに次の部屋への扉を開けた。扉の向こうは廊下となっており、通路が2方向に分かれている。…

第38話 お姫様のお茶会

 一同はポーの案内で園内の休憩所に入った。部屋の中は机と椅子、そして机の上にはティーポットとマグカップが置いてある。 ポーはマグカップに紅茶を注ぎ、それを4人に渡してくれた。「ありがとう。紅茶まで頂けるなんて助かるよ」 マティアスがポーに礼…

第37話 高速回転ティーカップ

 今度はナイトの要望で4人は"マッキー&マニースタジオ"へ向かった。マッキーワールドを代表するネズミのキャラクター"マッキー"と"マニー"と一緒に写真撮影出来るコーナーだ。 マッキー&マニースタジオの中に入ると、行列の奥に複数の扉がある。扉…

第36話 夢のテーマパーク

 4人はついにマッキーワールドに到着した。一同は4人分の入場チケットを購入し、園内に入る。 マッキーワールドは子供も大人も楽しめる大人気のテーマパークだけあって、来場客は非常に多い。「なぁ、これどうすれば良いんだ? 俺、遊園地なんて一度も来…

第35話 少年たちとの再会

 マティアスは夢を見ていた。大型の長毛種の猫メインクーンを自分の膝の上に乗せて撫でている夢だ。「やっぱり猫は癒されるな。軍事基地で猫を飼えたらどんなに幸せなことか」 軍事基地ではペットを飼うことが出来ない。だからこそ猫と触れ合えるこの瞬間が…

第34話 共同生活の始まり / 第4章 取り戻した平穏

 マティアスはハンニバルを連れて軍事基地に帰った後、一旦ハンニバルを彼の部屋に移動させてから司令室へ向かった。 正気に戻って間もないハンニバルは精神的に不安定で、休息が必要だ。 マティアスは1人でウィリアム司令官と対面し、任務の報告をする。…

第33話 決戦のワイルド・ソルジャー 後編

 ハンニバルの砲撃によって周辺の広範囲が燃え盛る戦場と化した。辺りは凄まじい熱気が漂っており、通常の人間では数分耐えるのが限度だろう。 ハンニバルは自信に満ちた表情で、マティアスに向けて炎のレーザーを放った。マティアスも対抗して氷のレーザー…

第32話 決戦のワイルド・ソルジャー 前編

 マティアスが研究所の外に出ると、広々とした場所でハンニバルが待ち受けていた。「ハンニバル、決着を付けに来たぞ」「やっと来たか、マティアス。あまりにも来るのが遅ぇから、俺にビビって建物の中に籠ってるんじゃないかと思ってたところだぜ」「待たせ…

第31話 最後の希望

 これはマティアスが研究所に駆け付ける前の出来事―― 改造手術を終えて目を覚ましたハンニバルは、自分の肉体がより強くなっていることを実感していた。それと同時に、無意識に殺戮衝動に駆られていた。 ハンニバルは手術室から出て、オスカーの研究室に…

第30話 惨劇の始まり

 研究室にはオスカーとハンニバルだけが残っていた。「ハンニバル、お前はマティアスとの勝負に負けた。そのことについてどう思う?」「確かに俺は負けたが、おかげで俺は更に自分を鍛えようって気になれたぜ」 ハンニバルの答えは意外と前向きだ。しかし、…